【腐食杯】腐食杯はこうして撮影された!利用機材と機材構成の紹介
TECH BLOG 2026/3/14 あいぬるんと

【腐食杯】腐食杯はこうして撮影された!利用機材と機材構成の紹介

#腐食杯 #テックログ #機材 #音響 #映像
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こんにちは。LightSheet代表のあいぬるんとです。 2026年2月に開催された「腐食杯」では、システム開発と機材構成の考案・構築を担当しました。 今回はLightSheet公式ブログで、腐食杯のウラ側を一挙公開することになったので、この記事では腐食杯の機材構成についてご紹介したいと思います!!!

1. 「機材構成」そのものについての説明

配信の機材構成ってなんだよ!!!!と皆さん思われると思います。 簡単に言えば、「どの機材を、どんなふうに接続するか」です。 たとえば、スマホを充電する時に、高速充電器を使うのか、低速充電器を使うのか、はたまたワイヤレス充電を使うのか。 それを考えてデバイスをどう組み合わせるかを考えることを「機材構成の考案」とこの記事では呼ぶことにします。

腐食杯はかなり複雑な機材構成をしています。20名以上の映像を同時に配信画面に載せる必要があるため、「パソコン1台でお手軽配信♩」とは行かないのです。

  • キャスト2名分の姿映像を映すカメラとその合成

  • 腐食さんの手元映像を映すカメラと選手の映像を合成

  • リザルト画面などの合成

  • キャスト2名分のマイク

  • BGM

  • プロセカのゲーム音

  • 選手たちとの中継

など、1名分の映像と音声だけで完結できる「YouTuberによる生配信」とは訳が違うのです。 次の章から、実際に機材構成を考案する上で僕が考えていた方針や、実際に使用した機材を紹介しながら、「機材構成の考案」を追体験してみてください!!

2. 腐食杯における機材構成の方針

機材構成の方針を紹介する前に、大会配信における 「機材構成」 は、映像と音声に分離できることをお伝えします。 映像は文字通りカメラ映像や画面共有の映像、キャスト陣の姿映像を指します。 音声は、プロセカのゲーム音やBGM、キャストや選手の話し声などを指します。実は、映像と音声では、それぞれ扱う機材の種類が全く異なるのです。 このことを念頭に、この先を読み進めてください!!

腐食杯は、ちゃんくさんのお宅をスタジオにしました。 広さは約8畳。予算も限られており、「メンバーが既に持っている機材を組み合わせる」必要がありました。 今回の機材構成の方針をご紹介しましょう。

一般の家庭にある機材を組み合わせて、逸般の誤家庭を作ろう

です。この後ご紹介しますが、実は機材1つ1つに注目してみれば、一般的なYouTuberであれば持っている機材ばかりなのです。

3. 実際の機材図

それでは実際の機材図をご紹介します。

【映像機材図】

これが、腐食杯における映像機材図です。

四角が機材、矢印がケーブルを示しています。「FSD0000」は、機材IDです。(今回、機材やケーブルの数がとても多いため、ケーブルと機材にIDを付与しました。1〜55番までが割り当たっています)

なお、FSD0007の「スライド」は、機能をOBS1に吸収したため、当日はありませんでした。

「なんのこっちゃ」ですよね。ごめんなさい。

この機材図は、「OBS1」「OBS2」「ATEM」に分割すると、非常にわかりやすくなります。

OBS1

ここでは主に、動的なスライドの合成を担当しています。

  • MCの姿を映すカメラ映像をPCに取り込み、「ATEM」へ出力する

  • コロコロ変わるスライドをPCで合成し、「ATEM」へ出力する

が仕事です。

  • Cam1…キャスト陣カメラ

  • OBS1…パソコン。今回は愛称として「OBS1」というニックネームを付与

  • モニター…一般的なパソコンモニター

OBS2

ここでは主に、試合中の映像合成を行いました。

  • 腐食さんの手元映像をPCに取り込み、映像を合成する

  • 選手たちの映像をPCに取り込み、映像を合成する

  • 合成された映像を、「ATEM」に出力する

が仕事です。

  • Cam2…腐食さんの手元映像

  • モニター…一般的なパソコンモニター

  • OBS2…パソコン。今回は愛称として「OBS2」というニックネームを付与

このOBS2が最も高負荷な作業を担うことになりました。

ATEM

この機材の役割は、「ターミナル」です。

先述の、2台のPCで合成された映像と、後述の音響ミキサーで合成された音声が、この「ATEM mini Extreme」に集約されて、この機材からYouTubeに配信を出していました。

FSD0022は操作用モニター、FSD0023はキャストが配信映像を遅延なしで確認するためのモニターです。

YouTubeの映像は、その特性上最低でも4秒以上の遅延が生じてしまいます。臨場感のある映像で実況をしてもらうために、遅延がほぼ0秒に近いこの方法を採用しています。

【音響機材図】

映像と同様に「は?」だと思います。噛み砕いてご説明します。

まずはMG12XU。これはミキサーと言って、たくさんの音を集約して音量調節ができる機材です。

今回は、「MCの声・選手の声・BGM・プロセカのゲーム音」を集約して、適宜必要な場所に必要な音声を出力しました。

今回は「キャストマイク」「選手中継」「BGM」「プロセカゲーム音声」に分割してご説明します。

キャストマイク

キャストマイクは、当日は3本に増量されました。

イメージはカラオケマイクです。ああいう感じのマイクを3本接続していました。

選手中継

選手中継は、文字通り「選手との中継をつなぐため」の場所です。

「選手中継(FSD0008)」は、普通のパソコンです。ここでDiscordを起動していました。

「UA-25EX(FSD0012)」は、「PCから音を出す・PCに音を入力する」という役割と担いました。

MG12XUからキャスト陣の声をPCに流し、PCからMG12XUに選手たちの声を流した。というイメージです。

BGM

あまり説明することはありませんが、MacBookでBGMを流して、MG12XUに取り込みました。

プロセカゲーム音声

ここはかなり気合を入れました。

プロセカのゲーム音は、腐食さんが実際にプレイを行うiPhoneから取得することに決めました。

しかし、音をMG12-XUに取り込んでしまうと、腐食さんにプロセカのゲーム音を届けることができなくなります。そこで、AMS-22の登場です。

こいつは、「1入力2出力」という仕様で、「1つの入力を2つに分岐」できるんです。

ですから、ゲーム音を入力して、腐食さんのイヤホンとMG12XUに音を出力させました。

この構成を思いついたときは普通にガッツポーズしました。

【まとめ】

腐食杯の機材構成では、「音声と映像をそれぞれ別系統で集約。最終的にATEMへと集めて、それをYouTubeに送出」という流れです。

非常に綺麗な流れが作れたのではないかなと思っています。

4. 実際の写真

ここからは、実際の機材の写真を交えながら、各機材の特徴などを紹介します。

【ATEM mini Extreme】

オーストラリアの映像メーカー「BlackMagic」が販売している、映像スイッチャーです。

上位機種は、プロセカ放送局などでも実際に利用されています。

▲プレビュー画面(マルチビュー)▲

背面に、普通ではなかなか見ない数のHDMIポートが搭載されています。

右端の3つがイヤホンジャック(3.5mm)のポートです。ここに、後述のMG-12XUからの音声を入力します。(MIC1)

そして、右から1番目と2番目のHDMIポートに、それぞれPCを接続し、OBSの映像を出力させる構成。

HDMI OUT1からマルチビューを表示させ、HDMI OUT2からは会場用に最終的に合成された映像が出力されています。

ATEM CONTROLと書かれたLANポートにインターネットと接続されたLANケーブルを差し込むと、なんと同じネットワーク上に接続されたPCからリモート操作が可能。そしてYouTubeなどに配信映像を直接出力できます。

腐食杯では、OBS Studioではなく、このATEM mini Extremeから映像をYouTubeのサーバーに送出していました。

https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/atemmini/techspecs/W-APS-17

【MG12-XU】

12Chミキサー。

音響専門の調整卓です。

配信者の方がよく使っている「AG03」を拡張しまくった、みたいなイメージです。

下にある、上下方向に動かせるツマミ(フェーダーとか、カフとか言います)を操作すると、音が大きくなったり小さくなったりするわけです。

色がおかしくて申し訳ありませんが、腐食杯本番ではこのような感じで操作していました。

https://jp.yamaha.com/products/proaudio/mixers/mg_series_xu_model/index.html

5. まとめ

ということで、腐食杯の裏側、複雑怪奇な機材構成についてご紹介しました! プロの現場とは違い、独学で構築した部分も多いため「もっといいやり方があるよ!」というプロの皆様からのツッコミもあるかもしれません(笑)。

でも、僕が個人的に満足しているのは、ぬるんと杯1st、LinkUp杯1st、Mido杯2ndと試行錯誤を繰り返し、今回の腐食杯で「手の届く機材の組み合わせで、理想の配信環境を作る」という一つの完成形に辿り着けたことです。 (配信中にマウスカーソルが映り込むという反省点もあったので、次回に向けて専用機材をポチりました)

なぜ、僕たちがここまで機材やシステムにこだわるのか? それは、LightSheetのモットーが「あなたの”やりたい”を叶えるお手伝いを」だからです。

「20人以上の映像を同時に載せたい」「演者も選手も遅延なく楽しみたい」——そんな主催者の熱い”やりたい”を、技術の力で現実にするのが僕たちLightSheetの役目です。

【最後に:一緒に”逸般の誤家庭”を作りませんか?】

LightSheetでは、こうした物理機材の構成はもちろん、インターネット上で完結する配信システムの構築、AIを使ったプログラミングなど、大会を裏から支えるメンバーを大募集中です! 「機材いじりが好き!」「自分の技術で大会を盛り上げたい!」という方は、ぜひ本公式サイトトップページのメンバー加入フォームから飛び込んできてください!お待ちしています!!